2012年6月3日日曜日

あるがまま

「あるがまま」とは、強迫観念の治療法の世界では有名なことばです。強迫観念とは完全主義の資質を持った人間が、或るきっかけを契機として持った「こだわり」について、感情と理性が喧嘩をし、果ては増幅させて起きるものです。
 「あるがまま」の意味するところは、事実(こだわり)をあるがままに受け入れて、それを持ったまま、「あるべき様(仕事)」に進むということです。それが強迫観念の治療法です。
 もっと、判り易く言えば「目標・今やるべき仕事・目の前の仕事」から逃げないということです。
「こだわり」があって苦痛だが仕事を続けるということです。途中で折れることなく。
 2002年発行「失敗学の法則」をお書きになった畑村洋太郎氏は、その著書のなかで1995年にあった動燃の「ビデオ隠し事件」について、「そもそも世の中には原子力に対して強い不信感がある。世間に悪い印象を持たれてはいけない」という動燃の強迫観念が作用し、編集済みのビデオでごまかすという失敗をしたと書いておられます。
 いずれも強迫観念(こだわり)が個人及び企業の心身を縛るものですが、それからの離脱方法は異なりましょう。
 人間の場合は、前述のような事柄の遂行が必要ですが、企業の場合はトップの意思次第だと思うのですが、なかなか、そうはいかない。何故でしょう。紙一重の判断なんですが。

あるがまま:内川貞雄税理士事務所

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